溺愛妖狐ひろいました
「美味しい!」
「ふふっ、よかった」
仕事を終え、尊と一緒にレストランに来ていた。
たまには外食もいいよね。
尊は目を輝かせ美味しそうに顔を綻ばせた。
「人間の食べ物、こんな美味しいんだ」
「気に入ってくれたなら嬉しいな」
「でも、亜子のごはんが一番美味しいよ」
尊は私を嬉しくさせる天才かもしれない。
素でそういうことを言ってしまえるのは尊の魅力とも言える。
「尊、食べなくても大丈夫って言ってたけど、よく食べてるよね」
「亜子と一緒に食べるの美味しい!」
どうしてそんなにも。
嬉しくて顔が綻ぶ。
「尊、人間のこと嫌になった?」
「・・・亜子を傷つけるやつは嫌い」
「そう・・・」
尊に人間を嫌いになってほしくはない。
でも、私を基準としてくれてることが嬉しいと思ってしまう。
だめだな、私。