溺愛妖狐ひろいました
「それより、そいつはなんなんだ」
「お前に関係ない」
「尊!」
「関係ないから、邪魔するな!」
尊が今にも泣きそうな顔で叫ぶ。
私は、尊の肩をさすりながらどうするか考えた。
もうきっと誤魔化せない。
でも、なんと言えばいいの。
信じてなんてもらえるんだろうか。
「あの、信じられる話じゃないのは分かってるんです・・・。でも、信じてください」
私はそう前ふりをして説明をした。
尊が妖狐だという事。
人間に化けて、人間の世界で暮らしているのだという事。
危害を加えることはないという事。
「は・・・、妖狐・・・?いや、そんなの、・・・は・・・・?」
遊佐先輩はなかなか受け入れられない様子で、混乱した様子を見せる。
それは当然のことで。
私だってなかなか受け入れられなかった。
「お願いします、遊佐先輩。この事は誰にも言わないでください。本当に、危害を加えるつもりはないんです」