隣の彼は、無愛想。


「ここ、高級マンションですよね。ひとり暮らしですか?」

「ま、まぁ…そうなんです」


それから、少し他愛のない話をしながら歩いていると、マンションについた。


「はい、つきましたよ」
ついたのは、とっても綺麗な高層マンション。
お父さん、これは…やりすぎ。

「本当にありがとうございました!あ、もしよければ、お礼したいのであがっていってください!」
礼儀だけは、母に厳しく教えられてきたから。

「いえ、そんな…いいですよ。じゃあ、これで」

「えぇ!?そんな…あ、ちょっと!」

私が話す間に、彼は片手を挙げながら小走りで去っていった。


あ、そういえば、名前さえ聞いてなかった。


ーー優しい人、だったな。


また…会えるかな…?



< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop