多分、姫。
奏『~~っ!!!!
も、もういいっ!!!脱がないし、泳がねぇから!!!』
とぷいっと真っ赤な顔そっぽを向く。
あ~あ。
「はぁ…拗ねたよ。」
そぶりも言葉も子供と言うかなんというか……。
でもまぁこれは…
「おい、一期。
どうせお前が他の水着を隠したんだろ?
返してや……――あれ?」
と、軽く一期を叱りながら、叱っている張本人のいる方を見ると確かに隣にいたはずなのにいない。
……神隠し?
――――『スキありっ!!!』
―――ジジジーーッ。
―――バザッ。
『い゙………ぎゃあああぁぁあ!!!!!!!』
宏喜『―――な、なにごとっ!!?』
神隠しにあったと思われた一期は、そっぽを向いた奏の真正面にしゃがみながら上手く入り込み、奏が隙間を見せた瞬間、勢いよくパーカーのチャックを下ろし、パーカー自体も奪ったご様子。
目にも止まらぬ早業だったから、気づいた頃には奏から奪ったパーカーをドS顔で振り回してる一期の姿だけ。
どうやら“神隠し”ではなく、“瞬間移動”を使ったらしい。←
そして一期にパーカーを取られた奏の叫び声がプライベートビーチ内に響き、のびていた宏喜もこの叫び声で飛び起きた。