愛を込めて極北
***


 「えっ、楠木さんよりそんなに年上なんですか?」


 JR札幌駅に隣接したショッピングモール内、大手コーヒーチェーン店。


 響さんと話をするために立ち寄った。


 入店しオーダーを済ませ一段落したところで、楠木とあの副社長との関係についての話題となった。


 まず最初に、リブラン社副社長・白井百合さんの年齢を聞いてびっくり。


 「アラフォーには見えませんね……」


 見た目は楠木と同世代に見えていたのに。


 楠木よりも、響さんよりもさらに年上。


 「ま、一般の同世代女性よりもはるかにたくさんのお金を、美容のために費やせるしね」


 「業界シェアナンバーワンのリブラン社、そこの副社長ですしね……」


 「所詮は世襲なんだけどね」


 「親の七光りなんですか」


 さきほどチラ見した感じでは、テキパキ仕事をこなすやり手のキャリアウーマンに見えたけれど。


 「若い頃から次期社長として、帝王学を授けられてるからね。人に指示を下すことには慣れている」


 リブラン社は、アウトドア用品などを手掛ける大手メーカー。


 百合さんの父親である現社長が、有名アパレルメーカーから独立し、アウトドア製品に特化した企業として急成長。


 今や最も安心して利用できるアウトドアグッズは、リブラン社製……と誰しも認識しているほどの超有名メーカーだ。
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