☆゚+. 〈BL〉隣人を愛す〈短編〉 ゚+.☆
好きになったのはイケメンでノンケでした。〈side・心羽〉
突然だけど、僕は閉所恐怖症だ。

狭い所ではパニックになる。

だから、エレベーターすら駄目で
移動手段はもっぱら
徒歩と自転車。

因みに電車も駄目。

上に上がらなきゃ
いけない時は階段。

因みに、
僕が住んでいるのは
マンションの六階。

家族四人で暮らしてる。

そして、僕が好きに
なってしまったのは
彼女持ちの隣人
〈鴉越晄慧〉さんだ。

*:::*:::*:::*:::*:::*:::*

その日は休日登校の日で
珍しく寝坊してしまった僕は
急いでかけ降りていた。

気持ちが焦っていたせいか
もう少しで降りきる前に
足を滑らせてしまった。

落ちる❢❢ と思ったのに
衝撃はこなかった。

『烏越さん!?
ありがとうございます
大丈夫ですか?』

恐る恐る目を開けると
烏越さんに守られていた。

片想いの相手に
助けられるなんて……

申し訳ない気持ちと
嬉しい気持ちが
ない交ぜになっている。

『あぁ、お前は?
制服ってことは
学校に行くとこだったんだよな?』

よかった、怪我してなさそうで……

『はい。
烏越さんのおかげです。
本当にありがとうございました』

そう言って立とうと
した瞬間、足首に
激痛がはしった。

思わす顔をしかめると
烏越さんに気づかれてしまった。

『お前、どっか怪我してるだろう』

バレちゃったか……

『足首をひねったみたいです(苦笑)』

正直に話すと
いきなり体が浮いた。

数秒フリーズして
お姫様抱っこ
されていることに気が付いた。

『か、烏越さん
僕、重いですよ❢❢』

同年代の子と比べれば
そりゃ、細い方だけど
僕も男だ。

『むしろ軽すぎだ。
ちゃんと飯食ってんのか?』

ご飯は食べてるけど
遺伝なのか体質なのか
僕は太らない(苦笑)

『食べてますよ』

話してる内に
六階に着いていた。

烏越さんは
一端、僕を降ろし
自宅の鍵を開けた。

『入りな』

果たして僕が入っていいのか……

うちは隣だ。

肩を借りて立ったまま
動かない僕を烏越さんは
再びお姫様抱っこした。

『え!?』

『小絵のことを
気にしてるなら大丈夫だ』

気持ちを見抜かれた。

でも、僕の気持ち(想い)は
気づかれてないみたいだし
此処で断ったら変だよな。


『じゃあ、お邪魔します』

どうにか靴を脱ぎ
支えられながら
リビングのソファーに座らされた。

『ちょっと待ってな』

そう言って玄関の方へ。

戻って来た烏越さんの手には
救急箱が握られていた。


手当てしてもらった後
学校と母親に電話をした。

*:::*:::*:::*:::*:::*:::*


あれが夏休みの話で
今は冬休みに入った。

五ヶ月。

烏越さんとは
それなりに
仲良くなった……と思う。

だけど、
仲良くなればなる程
【好き】という気持ちは
募っていくばかりだ。
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