仁と私のストーリー
私の知らない世界での生き残り方… 仁と私のストーリー⑭
私は仁と付き合いしていく中で、仁の兄弟分、兄貴分、舎弟、組長、同じ業界の人、女の知人、様々な人と知り合えた。
私は特に女の人と知り合える事が単純にうれしかった。
昔馴染の友達とはしばらく疎遠だったので電話したり、会って御飯食べたりできる事が楽しかった。

けれど仁は私に忠告する。

『人をすぐに信用するな!俺だけを信じろ』

なぜなら私はすぐ人を信じてしまう。

疑う事を知らないからだ。
傷ついて後から知ってしまう。

裏切られた事を…。

『相手の腹を探りながら会話をしていけ』

仁が私によく言う台詞…。

一線を置いて当たり触りのない会話は経験があるけど、腹を探る?!って事は人を嵌めたりする為に仲良くなって近づいたりするの?
私がそんな的になれば間違いなく人間不振になってしまう。

『良子、俺らの世界はヒガミやネタミがしょっちゅうあるで人を嵌めるぐらい簡単な事や』『だから何でもかんでもすぐに信用しとったら嵌められるぞ』

そんな事考えた事もないし、疑って話聞いてたらまともに対応出来ない。
何人か知り合えたけど、今の現状で連絡を取り合ってる人は1人もいない。

考えれば分かる。

仁の言う通りネタミやヒガミでこじれたから…。

ヤクザの世界をまともに見てると、人は人との揉み合いで目ではみれない所で踏んづけ合っている。
笑ってコミュニケーションをとっているが笑いの裏では笑っていない。
この世界では自分が生き残るには喰っていけるかのワンマンプレーである事を目の当たりにした。


仁はこの世界に30年費している。

なぜ仁が存在するのかは組の親父さんの生き様に心底惚れて同じ人生を歩んでいるから…。

女では到底分からない仁義…。

仁達は私達一般人よりも深い人生を歩み、人に揉まれながら自分が喰っていく為の庭を自分の頭と全身を生かして日々生活していると私は感じた。

仁は今を生きる中で、自分の歩みを誇り高くもち、食べていく為の生活資金、今後詰まった時の蓄え資金、全てにおいてしっかり生計を立てている。

私はその経済力の力に尊敬している。
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