ようこそ!!青蘭高校へ!!
◆ 太輔・side ◆


はぁ~…



落ち着いてきたかも…



ようやく落ち着いてきた頃、廊下に見慣れたシルエットを見つけた。



こっちに来る…





ガラガラガラ…





やっぱり…




「おーす!!やってるかぁ~?」



一樹が呑気に入って来た。



「一樹、お疲れ。ねぇ、こんなんで良い?」



みつと森がパソコンを見せていた。



「いいんじゃね?良く出来てる。あとさ、これに2年の修学旅行の件を盛り込んでおいてくれ」



修学旅行か…



去年、行かなかったな… 俺。



せっかくのチャンスだったのに… 風邪をひいてダメだった。



「太輔?」



え?



「どうした?元気ない?」


「… 大丈夫、心配ない」



心配かけてはダメだ… いい加減 一樹離れしないと。



プイッとそっぽを向いた。



「またか、反抗期も大概にしろよ、まぁいいけど」



反抗期じゃない…



迷惑をこれ以上かけてはダメだから。



早く 大人にならないと。



「今日、俺 遅いから」



え?



「それと言うの忘れてたけど、明後日から名大でシンポジウムがあって出席しなくちゃいけないんだ、それも泊まり」



泊まり…



「俺がいないからって メシ抜くことすんなよ」


「それから勉強ばっかすんなよ、いいな!遊びに行け、遊びに」



普通は『勉強しろ』って言うのに… 『すんな、遊べ』って教師の言うことか?



まぁ、することがないから勉強ばかりしてるんだけど…



「聴いてんのか?」


「聴いてる、ちゃんと食べるよ」



遊びはしないけど…



一樹は『やれやれ』と溜め息をついて 生徒会室を出て行った。








「そっか… いないんだ…」









「へぇ」




ん?




「藤崎って本当に先生と従兄弟なんだ」



なぬ!?


誰に聞いた!?



バッと沙良の後ろを見るとバツの悪そうにみつが苦笑い、ぺこり。



「だから 何?」


「一緒に住んでんの?」







「そうだけど?それが何?」



そう、俺は一樹と住んでる。


もう何年も… 2人きり。



「そんなことより… 」


「何かイケメン同士 同棲ってなんか危ないイメージ~!!きゃあ~!!」



はぁ!?



同棲だと!?



「バカか!!同居だ!同居!!勝手に危ないイメージに持っていくな!!」


「つか!俺も一樹もノーマルだ!!」



何を言うんだ コイツは!!



「いいじゃん、同居も同棲も似たようなもんだし、一緒に住んでるのには違いがないんだからさ!きゃははは!!」


「全然 意味が違うわ!!アホ!!」



沙良はアホ面で ぽけ~っと俺を見た。




はぁ… 疲れる…




でも、なぜかあれだけイライラしていた気持ちが楽になった。




このおバカのおかげか?





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