乙女ちゃん
車がでるとちょっとため息。

……替わってあげられるなら、替わってあげたいですよ。
ああ、明日の会社が怖い。

 こてん。

「へっ!?」

肩に衝撃を感じて見ると、澤野さんは暢気に私に寄り掛かって寝息を立てていた。

……あー、もう。
なんなんですかね、この人?
 
アパートに着いて澤野さんを引き摺るようにタクシーを降りる。
というか、私よりかなりでかい人間を支えて歩くなんて、ほんと大変。

「澤野さん、着きましたよ。
鍵、出してください」

「んー」

「澤野さんってば!」

「んんー」

完全に澤野さんに意識はない。
まさか、外に放っておくこともできないし。
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