イジワルな彼とネガティブ彼女
本田さんは、あっさりと帰っていった。


誰もいなくなった部屋は、少しさみしく感じた。


今までだって一人暮らしだったんだから、私以外誰もいなくて当たり前なのに。


洗い終わったマグカップがふたつ。


部屋干ししてあるタオル。


さっきまで本田さんが座っていたダイニングテーブル。


買ってきてくれた、たくさんの物。


部屋のあちこちに、本田さんがいた形跡が残っていたから、余計にさみしかった。


私、どうしちゃったんだろう。


翼くんがいるのに、本田さんのことが気になってる?



本田さんと翼くんが買ってきてくれた物を片づけながら、さみしさに押しつぶされそうになっていた。


木曜まで部屋にこもっていても、じゅうぶんすぎるほどたくさんの物があった。


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