イジワルな彼とネガティブ彼女
「痛かったか?」


「うん、少し」


「その痛みは、代わってやれねーからな・・・」


お互い裸でベッドに寝ているっていう今の状況を、どこか信じられない自分がいて。


どうして、こんなことしちゃったんだろう。


私の「初めて」って、こうだったんだ。


これで、よかったのかな・・・


「莉子、今日泊まってくだろ?」


「ううん、明日も仕事だし、帰ります」


「帰したくない、って言ったら?」


「本田さんは、そんなこと言わないと思います」


「言うんだよな、俺は」


「えっ?」


「しょーがないだろ、まだ一緒にいたいんだから。


家近いんだし、朝早く起きて帰ればいいじゃん。


あ、風呂の準備してくる」


・・・ほんと、私の希望をきいてくれないよね。


でもなぜか、それでもいいやって思えてしまう。





< 145 / 235 >

この作品をシェア

pagetop