イジワルな彼とネガティブ彼女
ところが。


翌日になっても、楓さんからはメッセージしかこなくて。


それも、『悪い、仕事で急な案件があって、しばらく会えそうにないんだ。


お互い展示会前だし、莉子もがんばれよな』


なんていう、素っ気ない文で。


確かに、新年モードは仕事はじめの一日だけで、翌日からは2月最初の土日にある展示会に向けて忙しくなったけど。


楓さんに意見を聞いてみたりしたかったし、何よりも会って顔を見たかった。


お互い仕事が大変な時期だってわかってるけど、会って話したら疲れもふっ飛ぶと思うから。


・・・あれ、これって、楓さんが好きだからさみしいってこと?


「まあ、そうなるよね、普通」


一緒に休憩室でランチしながら美和に相談したら、開口一番そう言われた。


「本田さんはさ、自分のモノになった女には、距離をおくタイプの男なんじゃない?」


「そっか、だから素っ気ないのか」


「単純に、仕事が忙しいだけなんじゃない?


心配することないと思うけど」









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