イジワルな彼とネガティブ彼女
「そんな大事なこと、足立くんがいる前で言うわけねーだろ」


「ですよねー、邪魔物は退散します」


お疲れさまでしたー、と足立くんは会議室を出ていった。


「・・・ったく、足立のヤツ、ハメやがったな」


「えっ、どういう意味?」


「足立は、俺と莉子の関係を修復しようとして、芝居したんだろ。


俺にも会議室に来てくれって言ってたから」


「えっ、あの時のこともお芝居だったんだ・・・」


「あの時のことって?」


「あっ、えっと、なんでもない、です・・・」


抱きしめられたり、よりを戻したいって言われたことなんて、話せるわけない。


「なんでもなくねーだろ。


おおかた、足立から言い寄られたんだろ。


たぶんそれは、アイツの本心だぞ。


アイツは本気で、莉子のことが好きだったんだろうし」



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