イジワルな彼とネガティブ彼女
「莉子?」


「あっごめん、ビックリしちゃって」


「まずは、莉子のご両親に挨拶してからだけどな」


「楓さんのご両親は?」


「いま、父親が海外赴任中で、両親とも日本にいないんだ。


俺から連絡しとくから、心配すんな」


心配はひとつ減ったけれど、私の両親と会わせることを考えると、不安だ。


「で、返事は?」


「・・・はい、よろしくお願いします」


信じられないほど嬉しいことが重なって、自分でもよくわからない感情に支配されていた。


当たり前か、今まで経験したことなかったんだから。



楓さんは、言葉は乱暴だけど、すごく優しい。


外見もパーフェクトだし、並んで歩くのが恥ずかしいくらいだ。


実際今日も、手をつないで歩いていても、楓さんへの女子の視線をすごく感じた。


だけど、きっと、だいじょうぶ。


いつだって、楓さんは私の味方だって、信じているから。



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