イジワルな彼とネガティブ彼女
翌日は雨で、電車で会社へ向かった。


駅の改札を出たら、


「おはようございます」


右隣から声をかけられた。


「ああ、足立くん、おはよう」


「顔色悪いですね、もしかして飲みすぎですか?」


「うん、まあ・・・ちょっとね」


「例の、SFYの人とですか?」


足立くんは、問いつめるような口調で、見下ろしている。


そうだった、たしか足立くんが文具店にいたって本田さんが言ってたっけ。


でも、知らないふりするしかないよね・・・


「どうして?」


「僕、昨日見かけたんです。


莉子さんと一緒にいるところを」


「そっか・・・でも、ちょっと用事があっただけだから」


歯医者を紹介してもらって、文房具について話しただけだし。


「どうして、僕じゃダメなんですか?」




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