イジワルな彼とネガティブ彼女
「えっ?」


「その人とは二人で飲みに行くのに、どうして僕は断るんですか」


どうしたんだろう、足立くん。


いつもはもっと冷静で、落ちついてるのに。


「違うよ、本田さんはよくて足立くんがダメなんじゃなくて、たまたま用事があっただけだよ」


「じゃあ、今度僕とふたりで食事に行ってくれますか」


正直、足立くんのことは異性として意識したことがないからか、告白されてもピンとこなかった。


一度、はっきり断らないとダメなんだろうな。


「そしたら、明日はどうかな」


「だいじょうぶです!」


即答する足立くんが、いじらしかった。


「じゃあ、展示会の打ち合わせも兼ねて、ね」


「莉子さん何系が好きですか?


僕、店を予約しときますんで」


「好き嫌いないから、任せるよ」


「わかりました」


「じゃ、行こっか」


立ち話してた駅構内から、会社へ向かって歩き出した。




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