イジワルな彼とネガティブ彼女
それからの足立くんは、人が変わったように饒舌になり。


展示会のボールペンのことで、たくさんアイデアを話してくれた。


「俺は、女性が洋服の色を選ぶように、ボールペンのボディカラーも選べるようにできたらいいなって思ってます。


だから、最低でも5色は欲しいですよね」


「いいねそれ、私もそう思うよ」


「あと、4色ボールペンですけど、基本の赤・黒・青は変えずに、残りの1色をシャーペンか好みの色を選べたらいいと思いませんか?」


「なるほどね、月曜に部長へ言ってみる」


話は盛り上がり、お店を出たときは23時を過ぎていた。


足立くんは、そうするのが当たり前のように、手をつないだ。


「莉子さん、家まで送ります」


「だいじょうぶだよ、一人で帰れるから」


「何言ってるんですか、大事な莉子さんに何かあったら困りますから」


いやいや、家は散らかってるし、何よりふたりきりで密室にいるのは、まだハードルが高いし。


「ほんっっとに、だいじょうぶだから」


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