イジワルな彼とネガティブ彼女
「莉子さん、なら俺んちに来ますか?」


「へっ?」


声が裏返っちゃったよ。


「俺んち、ここから歩いて行けるんです。


狭いですけど、掃除はしてありますから」


「え、いやいや、掃除とかの問題じゃないんだけどな・・・」


「俺たち、つきあってるんですよね?」


「そ、そうだね」


「俺、莉子さんに聞きたいことがあるんです。


店では話しづらいだろうし、もしよかったら散歩がてら来ませんか」


聞きたいことって、何だろう。


それに、私の過去を話すなら、お店では話しづらい。


「わかった、じゃあ、お邪魔します」


「よかった、こっちです」


なんか、なりゆきで、大変なことになってる気がする。


どうしよう。


話をするだけだし、きっと何もない。


・・・何もないって、私は何を考えてるんだか。





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