春に晴耕雨読
走れ万引き少年

発見万引き少年

今日、万引き現場を発見した。
本屋でのことである。

ある塾帰りの少年(確実にそうだと思わせる風格を持つ)がゲームの攻略本の棚の前にいた。

まあその時点ではそいつがそこに存在してるぐらいの印象しかない。

そしてそいつが確実に挙動不審になった。
回りを確認しだしたのだ。

その時俺は確信した「こいつはやる」と。

そして少年は本を隠して取り
(その時点で隠す必要はないのだが)
専門書コーナーに走って行った。

まあ言わせてもらえばわかりやす過ぎである。
その専門書コーナーは監視カメラのしたで店員の死角であるのだ。

でも確実に少年が専門書コーナーに行くはずがない。

しかも走っていったのだ。
ばかである。

そして隠れるようにバックに入れた。

俺は暇だったのでちょっと不審なやつだな目線を送ってやった。
するとそいつはいきなり挙動不審になり、水に溺れるアリのようにばたばたしだした。

まあ俺もそんな暇はないので目当ての本を物色してると少年が攻略本コーナーに帰ってきた。

「よし、えらいぞ、返すんだな」

そう思い、少年えらい!などと思っていた。

頭の中では私の偽善心が「俺っていいやつ」などと考え、
少年を非行から救う真面目な青年の図ができあがっていた。

そして少年は手を棚のほうに移していった。

「おおー返す気になったのかーー」

俺は後で何をすろうとしていたか調べようと思っていた。
少しやつがすってまで欲しい物に興味があったのだ。

しかし!!

異変はそこで起こった。
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