空に星が輝く限り、私はきみを忘れない~Dearest~
「わ、砂が熱い!」


「ほんとだ。ていうか潮の匂いがすごいね!」


「え、これってワカメの匂いじゃね?」


「ちげーだろ、これはコンブだよ」


「どっちでもおんなじじゃん」


うちのクラスは仲がいい。


普段から教室では笑いが絶えないし、終業式の日とか、クリスマスとか、年末年始とかにはいつも集まって騒いだりしている。


だからこんな急な紗英の誘いにも、これだけの人数が集まったんだと思う。


「スイカ割りしようぜ!」


「スイカって、何で割んの?」


「え、知らね。木刀とか?」


「そんなもん持ってないっての」


「じゃあその辺の棒とかでいいんじゃね?」


落ちていた流木を拾って、男子たちの間でスイカ割りが始まる。


意外に難しいらしく、だれもまともにスイカに棒を当てることができなかった中、涼くんが一発で真っ二つにしていた。さすが運動神経バツグン。




「よーし、行くよー!」


「わ、ちょっと紗英、サーブ強すぎ!」


「えー、これでも手かげんしたんだけどな」


「紗英の腕力はゴリラ並だかんな~」


「ちょ、おま! そこ動くなよ!」


その横で、紗英を含めた女子たちの何人かはビーチバレーをしていた。


波打ち際で楽しそうに声を上げながら、ビーチボールを回している。


< 45 / 203 >

この作品をシェア

pagetop