命短き、花初恋。

恐怖

「舞音くんっ!」








そこには、うずくまりながら吐血する舞音








くんの姿があった。








「ち、えり…」








舞音くんは私の姿に気付いたらしく、弱々








しく私の名前を呼ぶ。








私は舞音くんに駆け寄る。








「どうしたの!?ねぇ!救急車っ…」








私が救急車を呼ぼうとした時、








「…ダメッ!」








私は、ビクッとなる。








「…でも…」








「薬、飲めば…大丈夫、だから…」








そう言って、舞音くんはヒューヒューと苦








しそうに息をしながらも、無理に笑顔を作








った。








涙が溢れる。








なぜだろう。








さっき、怒鳴られたからだろうか。








…うんん。恐怖なんだ。








この人を失うのが。








しばらくして、騒ぎを聞きつけた施設の人








がやってきた。








私は言った。








「救急車は…呼ばないで、下さい…」
< 12 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop