命短き、花初恋。
「…入って。」








「…おじゃま、します。」








私は舞音くんの家にはいる。








「どうしたの?」








「…無性に、舞音くんに会いたくなった、で








す…」








「…僕も、同じ事を思ってた。」








「え…?」








「…とりあえず、これね。」








「あ、はい。お疲れ様です。」








渡されたのは分厚い、紙の束。








今、里倉先生が書いている「白百合の花」と








いうラブサスペンス作品だ。








上巻は35万部を超え、重版にもなった。








その下巻とあり、注目が集まっている。








「えっと、これで完結ということでいいんで








すよね?」








「うん。」








「えと…次回作は…?」








「もう考えてある。」








「どんな内容ですか?」








「んー、秘密。」








「え!?なんでですかっ!?」








「えー。桜が可愛すぎるから、だめ。」








「えっ!?」








思わず顔が火照る。








「ね、ただ原稿取りに来ただけじゃないよ








ね…?」








そう言って私の手を取り、絡ませるように








握る。








そして、唇を奪われる。








「んっ…ふぁ…」








思わず唇と唇の合間から息が漏れる。








苦しいのに、心臓が高鳴る。








「…始めたら、とまんないから。」
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