命短き、花初恋。
「じゃあ、戻りましょうか…」








そう言って桜のお母さんは椅子から立ち上








がった。








その時、持っていたバックから万年筆が落








ちる。








「あ、落ちましたよ。」








「あら…ありがとう。」








万年筆には「nami」とアルファベットが彫ら








れていた。








「nami…名前ですか?」








「そうよ。これは、なくなった夫がくれたの








よ。」








まさか…








「あの、不躾なんですけど…お母さんの旧姓








は…?」








「里倉…里倉 なみ、ですよ。」

















「そうですか…じゃあ、お揃いですね。」








「?」








「お母さんが、僕達を引き合わせてくれたよ








うなものですよ。ありがとうございます。」








「そう…なんだかわからないけど、良かった








わ!あ、早く行かないと!りんご剥いてあ








げなきゃっ!」








その後ろ姿は、桜とても似ていた。
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