命短き、花初恋。

最期

「桜。」








「舞音くん、お母さんと何を話してたの?」








「秘密だよ。」








「ふーん…ねぇ、ちゃんと作品書いてます








か?新しい担当さん困らせてません?」








「…困らせてます…」








「やっぱり…この間の作品、見ましたよ。私








達がモデルなんですね。いいと思いました








よ。」








「…完成したものを、桜には見てもらえない








んだよね…」








「そう、なりますね…あ!新担当さんは誰で








すか?」








「島津くんだよ。」








「そうですか。仲良くやってくださいよ!私








の大切な友人ですから。」








「うん…」








「作品も書き上げてくださいね。」








「うん。書きあげる。」








「はい!嘘はなしですからね…」








僕は桜にキスをした。








多分、このキスが最期のキスだ。








「…愛してる。」








「私もです。」








「桜に出会えて良かった。」








「うん。」








また桜は泣き始める。








「ほら、また泣いた。」








「ごめん。」








「笑って。僕は笑ってる桜が好き。」








「そんな事言って。舞音くんも泣いてる。」








「ごめんね。」








「私も、笑ってる舞音くんが好き。」








「ありがとう。」








本当に








ありがとう。
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