不器用なコイビト。
「あっ、それより」
「?」
私は隆介の体から一旦離れ、隆介の頬を軽く抓った。
「ひは?(知香?)」
「そりゃー私はヤキモチ焼きだよ。だけどね、そんな事で心がぐらつくほど私は弱くないよ」
「……うん」
「私のこと、見くびらないでよね」
「はははっ……うん」
言いたい事を言い終わった所で、ははは…なんて顔を見合わせながら
私達は笑った。
ー…やっぱり、私達はこうでなくっちゃね。
「あっ、そういえば怪我したって…」
「あぁ、これの事?」
そう言って見せたのは、左足についた小さな傷。
「……ちっさ!!!!!」
「…もしかして、心配したの?」
「~~っ」
「知香?」
「ものすっごく心配した!!」
「はははっ…そっか」
「な……何がおかしいのよ」
「可笑しいんじゃないの、嬉しいの」
「!!!!」
照れて真っ赤になった私に、隆介は優しいキスをした。