不器用なコイビト。
「もしもし…絵里?」
『知香?どうだった?隆介君の反応♪』
「えへへっ……」
『ー…知香?』
「……っ……うっ……」
『知香、泣いてるの?』
絵里の優しい声を聞いて、涙が一気に押し寄せてきた。
初めてだった。
こんなに泣いたの。
なかなか泣き止まない私に、電話越しだけれど、絵里はずっと慰めてくれた。
「ありがとう、絵里」
『どういたしまして♪……ところで知香、これからどうするの?』
「…もう、別れるよ」
きっと、ここままいつも通りに……なんて付き合えないから。
『そっか……じゃあさ、来る?』
「へ?」
『合コン♪』
「え?本当にやってたの?」
『ううん、いきなり予定が入ったの』
本当は最初から行くつもりも、合コンの予定も無かった。
ただ……ただ、隆介の気持ちを知りたかっただけ。
でもこの際、他の男の人と恋愛するのもいいかな。