この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
家族で住むには小さいと思ってたけど、まさか先輩が一人暮らしだったとは……。
広いワンルームで、キッチンも綺麗に整頓されている。
私は先輩に促されるまま、ソファーに腰を降ろすと、先輩は冷蔵庫から缶ジュースを出してくれた。
「ごめん、こんな物しかなくて」
「あ、いえ!お構いなく……。須々木先輩の家に居候させてもらうだけでも、迷惑かけちゃってるのに……」
本当に、図々しいったらないよ……。
しかも、同じ高校の先輩の家だなんて……。
「その、一緒に暮らすわけだし、須々木先輩はやめないか?」
「え??」
「俺のことは、棗でいいよ。俺も、美羽って呼ぶから」
な、棗って……先輩を呼び捨て??
それは、恐れ多すぎるよっ。
「あの、せめて……棗先輩……ではダメでしょうか?」
「先輩って、なんかよそよそしい」
しょんぼりする棗先輩に、私は意を決する。
「えっと……では、棗くんではどうでしょうか」
「うーん、合格ラインかなぁ」
いたずらに笑う棗くんに、私は笑う。
良かった、棗くんの合格ラインに入れて。
呼び捨てになんてなったら、心臓が持たないよ。