この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。


でも、棗かぁ……。

「どっかで聞いたことあるんだよなぁ……」


わりと最近、というか今日聞いたような……。

えっと、どこだったかな……。

若いのにすでに物忘れが激しい頭で、必死に記憶を手繰り寄せる。


「どうしたの、美羽?」

「あ、はい……私、どこかで棗くんの名前を聞いたことがあるような気がして……」


棗くんの顔をまじまじと見つめても思い出せない。

ってことは、棗くんと会って知ったわけじゃなきみたいだ。

なら、一体どこで……。


『棗くんって、誰?』

『たぶん、須々木 棗(すすき なつめ)先輩のことじゃない?』


あ、そうだ……。

裏庭で真琴と話してる時じゃなかった?


『うちの学校の王子様だって、イケメンで女子生徒はみんな夢中なんだと』


学校の王子様……イコール棗くん。

それに、冷や汗がダラダラと流れ始める。




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