この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



「どうして……私じゃなかったのかな……」


死んだのが、私ならよかったのに……。

瞬きと同時に、涙がこぼれる。

今日は……気分が沈んじゃって、駄目な日かもしれない。

ポスンッと、枕に顔をうずめれば……。

花の、優しい香り……。

それが、棗くんの使っているシャンプーの匂いだと知ったのは、私がシャンプーをした時だった。


「ふぅ……」


私からも、棗くんと同じ香りがする……。

だからか、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。


抱きしめられた時に棗くんからした、ホッとする香りだった。


――ガチャンッ。

「美羽、寝ちゃった?」

すると、棗くんがお風呂から出てきた。

だけど、情けない顔を見せたくなくて、私は枕から顔を上げられずにいると……。


――ギシッ。

ベッドに、棗くんが腰掛けるのが分かる。

そして、ポンッと頭に手を乗せられた。


< 63 / 223 >

この作品をシェア

pagetop