この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「そうか……だから、美羽は自分のことを"なんか"なんて言うんだな。俺は……ただ美羽が傍にいてくれるだけでいいのに」
「どうして……」
どうして、棗くんは……。
「そんなに優しくしてくれるんですかっ……」
「……美羽が想像している以上に、俺はきみのことが大切だからだよ」
その言葉の意味が、分からない。
だけど、私を抱きしめる腕が、言葉の一つ一つが、私が大事だと教えてくれた。
それだけでいい……。
棗くんの傍は、世界のどんな場所より温かいから……。
「美羽、怖い夢を見た朝は、一番に抱きしめてあげるし、寂しい夜は一緒に寝てあげる、泣きたい時はいつだってその涙を拭ってあげるよ」
「ううっ……ふっ……」
「俺は、美羽のためにここにいる」
そう言って抱きしめてくれる棗くんの胸に、頬をすり寄せた。
私の抱える悲しみごと、棗くんは抱きしめてくれる。
「こうしてて……いいです……か?」
「うん、美羽が望むなら、なんだって叶えたい」
「はいっ……」
初めて、誰かに甘えた。
あぁ、ここが、私の居場所なんだ……。
甘えられて、一緒にいて心が安らかでいられる場所。
私を、見つけてくれてありがとう……棗くん。
棗くんと一緒なら、この冷たい雨さえも温かく感じた。