Love Birthday‥~約束~

春の日差し



年が明ける3日前、陸君がこの病院を去った。


『バイバイ』って元気良く手を振って。



俺は笑顔で陸君に手を振り返した。

真っ直ぐに陸君の瞳を見て。




あれから月日は流れ、

春の木漏れ日がスタッフルームに差し込むようになった。



あったかいな……。

羽織っていた薄い上着を脱いで、白衣の姿になった。



中嶋先生とは仕事の付き合いだけで、二人で会うことはなかった。

けれど、お互い心の中で通じあっているものがあり、時々視線が重なると訳もなく二人で微笑み合った。


答えを出す俺。

答えを待っている中嶋先生。


不思議な関係が続いていた。






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