‐部恋。 Round 02‐


『ごめん、ビックリさせた?』

私は首を横に激しく振る。

『あのキスは封印しよっか。』

「――――…。」

『えっ、ノーリアクション?』

勇介は小さく笑う。

「―――…。」

『まな~?顔みせてー?』

勇介は私の肩に手を添えて
体を離そうとする。

…まだ顔見せらんないよ。


私が必死に拒むと…、
『じゃあ、帰っちゃお。』

そう言って
そのまま歩き出した。


当然私は勇介に
抱きついたままなので、
前に歩き出す勇介とは反対に
私は後ろ向き歩行…(笑)。

足元はふらつき、戸惑う私を
勇介は声を押し殺して
笑っていた。

私が勇介から離れると
予想通りの展開になったのか、
嬉しそうに笑う勇介がいた。


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