‐部恋。 Round 02‐


『また家遊びにいく!』


別れ際、勇介が2人に
笑顔で微笑みかける。

本当に勇介、嬉しそう…。


「うん!いつでもおいで♪」

彩さんがそう言った。


『こら。
 お前んちじゃないだろ(笑)』

すかさずシンさんが
ツッコミを入れて、
2人は一緒に顔を見合わせて笑う。

そんな光景を見ていたら、
彩さんにヤキモチ妬いていたことが
無駄に感じた。


だって2人は
十分幸せそうなんだもん。



―――…


2人は私たちに手を振って、
私たちもまた歩き出す。


さっきまであんなに
喋っていたのに、
今じゃ何も喋らない勇介。

2人の間に沈黙ができた。


やっぱり彩さんのことが
引っかかってるのかな…?


2人について
紹介してくれてないし…。



聞きたくても怖くて
聞けなかった。


久しぶりに好きな人に
再会して恋心が復活すること、
女の子では珍しい話じゃ
ないんだよ?



よりによって、
あんなに魅力的な人。


『ねぇ、愛奈…』

「あっ、明日の部活!
 試合に向けて準備すること
 あったんだった!」

『…愛奈?』

「マネージャーいないと
 大変なんだよね――…」


涙が浮かぶ。

最近の私は本当に変だ。

こんなに涙ながす
キャラじゃないでしょ。



いつも笑ってて元気な私は
どこいった?

でも気づいてよね。
勇介が好きだからだよ。



勇介が一緒にいると楽しいから、
愛おしくなるから…。


小さなことが
大きな不安になって
耐えきれなくなる、寂しくなる。


こんなこと勇介に
知られたくないよ。

面倒くさいとか
思われないかな。



だから言い出せないよ。

怖いんだよ?


< 333 / 363 >

この作品をシェア

pagetop