‐部恋。 Round 02‐


『愛奈、俺の目みて?』

必死に涙を堪えて
勇介と目が合わせると、
真剣な表情の勇介がいた。


いやだよ、
こんな表情みたことない。


『なんで意地張るんだよ。
 ちゃんと伝えてよ。』

「え……?」


『俺は知ってるよ?
 愛奈は辛いとき、
 一人で抱えて
 耐えきれなくなったとき、
 泣き顔みられたくなくて
 一人で泣くこと。』

「―――……。」


『なのに何でだよ…。』

勇介が悔しそうに
歯を食いしばってた。



『けど今は俺がいるじゃん。
 余計なこと考えんなよ…、
 俺がちゃんと聞くから。
 支えになるから…。
 だからそんな顔すんなよ…。』


勇介は泣いていた。

涙は出ていないけど、
心が泣いてるように感じた。


一人で悩んでる私も苦しいけど、
それに気付いてる勇介も苦しいんだ…。


私は勇介を抱きしめる。

勇介が小さく感じて、
より一層ギュっと抱きしめた。


「ごめんね…。」


私に答えるように、
勇介は私に負けないくらい
ギュッと抱きしめ返した。



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