おいしい話には裏がある
『あーくん…近いよ。』

「イヤか?」

『恥ずかしいよ。』

満足そうな笑顔を見せるあーくん。

なんでよ。

『もぉ、離れて~!』

あーくんの胸をグイグイ押して、遠ざけようと頑張ってはみたけれど。

逆に腕を引っ張られて、さっきと一緒で抱き締められる。

『あーくん!』

「雪杏の匂い、落ち着く。」

『やだー。変態!』

「変態でもいい。もう少しこのままで。」

『あーくん、疲れてるの?』

弱気な声音が気になって、頬っぺたを両方の手で包んで、顔色をみる。

ん~、顔色悪くはないな。

私の手の上にあーくんの手が重なる。

「雪杏、好きだ。お前が欲しい。離したくない。」

真剣な顔に冗談じゃないことを理解する。

『あーくん…。』

「雪杏はオレがキライか?」

『キライじゃないよ。』

「今はそれだけで充分だ。急がないから、ゆっくりオレのこと考えて欲しい。」

『うん…。』

ドキドキし過ぎてパンクしそう。

私が好きだと思う人は誰…?

あーくん?

それとも旭日?

両方にドキドキしたけど、どっちなんだろう?
< 40 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop