お前なんて好きじゃねぇし。




優しく背中を撫でられ、由良の腕の中でたくさん泣いた。



私、頑張った。



最後にもう一度、気持ちを伝えられたし雄くんの気持ちも聞けた。


綺麗に終わらせようとした。

これがきっと、最高な終わり方だったんだ。



すごく、頑張ったよ……。




「それでいい、お前は」


「ふぇ……ぅっ」


「泣くならこれからも俺の手の届くところで泣けばいい」


「っ……」


「いくらでも付き合ってやるから」





由良の優しい言葉と手に、ぽっかりと空いてしまった穴が埋められていく感じがした。



由良によって埋められた部分から温かくなる。



何度思ったか分からないけど、やっぱりまた痛いほど実感する。





由良がいてくれて良かった


って。





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