ワンコ時々オオカミ
(フーッ助かったー)とシートに体を沈め、ネクタイをゆるめ真琴の方を見ると両手で顔を隠していた、対向車のライトで耳が真っ赤に見える。

(かわいい///、キュンキュンするって言うのかこうゆう事?)お酒のせいかいままで真琴に怒っていたのにそんなことわすれたように横から抱きしめた。

真琴は一瞬ビクッとしたが恥ずかしさのあまりそのまま動かなかった。(やっぱ真琴の香りは落ち着く)

「お客さんどちらまで?」

「若様、住所教えてください」と顔を隠したまま。

「イ〜ヤ〜だ教えな〜い」と一段と真琴をぎゅっとする。

「えっ、家に帰れないですよ」

「まだ、一緒にいる」

「すみません、『Harp Garden HOTEL』までお願いします」

「承知しました」と運転手は左にウィンカーを上げて曲がった。
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