離婚前提策略婚。【改訂版】
「今日戻る?ハードすぎるだろ」

「お母さんから聞くお前の話が信じられなくてな。それを確認したかっただけだ」

「本当ですよ。あなたったら」


──そこまで心配か?出張が全部終わってからでもいいものを…。


仕事人間の親父がわざわざそれだけで帰国するなんて、相当切羽詰まってるってことか?

一体なんだってんだよ。俺が巻き込まれるなんて…。


「代表!わざわざお越しいただきありがとうございます!」


桜庭家に着くと華乃の両親と華乃が出迎える。華乃に目配せをすると軽く頷いた。


「いやいや、わたしの方こそ礼を言わなくては。大事な娘さんを嫁にもらったんだからな」

「いえ、とんでもないです!狭い家ですがどうぞお入り下さい!」

「お邪魔します」


リビングに全員揃うと、自分の実家に比べ確かに手狭な気がする。テーブルを挟み両家が向かい合った。


ぎこちない空気の中、一番先に口を開いたのは親父だった。


「わたしは華乃さんとは初対面になるのだが、華乃さんはどちらかな?」


その一言にリビング全体の空気が固まった。


──何をふざけてやがる。どう考えたって、同席してる若い女は一人しかいねぇじゃねぇか。


麻友ちゃんだけが親父と同じ表情をしていた。
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