離婚前提策略婚。【改訂版】
昨日は華乃と過ごすことで、ストレスを緩和出来た気がする。

あいつの相手で嫌なことを考えずにすんだからだな、きっと。


──なんか俺、華乃の保護者にでもなった気分だ。言うことを聞かない屈折した子供を教育してるような、そんな感じだ。まぁ戸籍上は保護者みたいなもんだしな。


でも昨日は少し驚いた。垢抜けたとまでは言わないが、それなりに野暮ったさはなくなった。

やればできるんじゃねぇか。何で今まで…。もしかして、姉ちゃんがいたからか?

あいつの劣等感の原因の姉ちゃんがいつも一緒にいたから、自分に何をしても無駄だと思ってしなかったってとこか?


けど、きっかけとかなければ昨日いきなり変わろうなんて思わねぇよな。


…昨日と言えば、親父と麻友ちゃんのことかなり気にしてたな。

やっぱばれてるか。それを気にしての行動か?

なんにしても俺の親のせいで華乃は傷ついたはずだ。


なぜか小さな罪悪感を感じているうちに会社に到着。


社長室に入ると、ソファーに座っていた麻友ちゃんが、ぱっと顔を上げる。


「…おはようございます」

「龍成!良かった!今日は来ないかと思っていたわ!」
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