【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
トントントントン!!!と包丁で食べ物を切るスピードは我ながら早い。
そういえば、お母さんがいる時は料理なんか1回もしなかったっけ...?
全部お母さんに任せてばっかりで
一人で何もしない甘えっ子の私が
一人で生活してるなんて、天国で見ているならびっくりするだろうな二人共...。
ぐつぐつと音を立てながら煮込まれる料理に集中せず、ボーッとした私の視線の先には男。
一体何があって、こんなにも傷ついているんだろう
怖さと同時に興味もあった。
そして
「...っ...」
起き上がった男が目を開けた瞬間、電気の明かりで顔を歪める。
私はキッチンから急いで彼のもとに駆け寄った。