【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
「あの...零さんは、もう帰っちゃいましたか?」
「ん?あぁ...零君にはおつかい頼んであるから...そろそろ帰ってくるんじゃないかな?」
...零さんがおつかいって。
あの見た目から、おつかいなんって似合わなすぎて
思わず口に含んでいたオレンジジュースを吹き出しそうになる。
でもよかった...
ここでしばらく待っていれば会えるってことだよね?
「すみません、零さんが来るまでここで待っていてもいいですか?」
「うん、いいよ?君みたいな礼儀正しい子なら零君も不快にはならないと思うし」
「不快って...」
「いつも零君を訪ねてくる連中は、零君に勝負挑んでくる奴ばっかだから...だから君みたいな可愛い女の子が訪ねてきてくれると零君も喜ぶと思うよ?」
「...」
思わず返す言葉がないくらい話してて思ったんだけど
店員さんって結構天然タラシだと思う。
可愛いって...
私みたいなちんちくりんには、程遠い言葉すぎて悲しくなる。
グラスに残ってるオレンジジュースを一気に飲み干して、それから結構時間が経った。
もう夜中の0時。 いつもなら寝てる時間だ。
ウトウトと閉じそうな目を、無理やり開き、ガチャっとドアが開く音に反応する。