その唇で甘いキスをして…
あの時のカオルはどんな気持ちだったんだろう?

アタシは自分からカオルの友達を辞めた。

友達じゃ物足りなくて
抱きしめてもらうだけじゃ足りなくて
カオルに溺れるアタシを見て欲しくなった。

アタシの愛の全てをカオルにあげたかった。

それは何回か続いたけど…
決してカオルは自分から求めなかった。

ジョウさんの事件の少し前の事だった。

気がつくとカオルの事務所の前に来ていた。

事務所に入るとカオルはソファーで眠ってた。

アタシはその頰に触れてみる。

カオルがその感触に気づいて目を覚ました。

「ジュン…どうした?」

心配そうにアタシの顔を見るカオルは
昔のまま変わらない。

変わったのはアタシだけだ。

「カオル…好きにしていいよ。」

「え?」

「アタシは…自分からカオルと友達辞めたんだった。

そのことを思い出したの。」

カオルは何が何だかわからないようで

「ハルさんと何かあったのか?」

ってアタシの心配をする。

アタシはカオルにキスをしようとした。

カオルはそんなアタシの顔を抑えてキスを制して

「ばっ、バカ。ハルキさんにこんなことバレたらどうする?

マジで捨てられるぞ。」

ってまたアタシを心配した。

「だって…カオルを1人にしたくない。

ハルさんはアタシが居なくても大丈夫だけど
カオルは違うでしょ?」

カオルはアタシを抱きしめた。

「アタシはカオルが居てくれたら
こうして幸せでいられるのに…

カオルと離れるなんて出来ないよ。

カオルが居なきゃアタシは幸せじゃなくなるの。」

カオルはただアタシを抱きしめていた。







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