JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「何見てるの?」

見終わる間際、戻って来た響に声かけられる。


「あ…
観覧車での動画。

…見る?」

覗き込んで来たその人に、流れで訊くと。
頷きが返って来て…


もう一度それを再生した。




『観覧車でーす!』

『頂上でーすっ』

一真に続いて、久しぶりのデートにはしゃいでる私。


『はいっ、憧子の変顔~!』

携帯のカメラを片手に、いきなり私の顔をいじる一真。


『ちょっ、やめてよっ…』


『大丈夫だって!
なにやったって可愛いんだからっ』


『そんなわけないでしょっ。
はいっ、一真の変顔~っ』

今度は私が横からいじる。


『はあい、俺の変顔~!』


『あははっ!ヤバいってそれっ』


『じゃあ勝負なっ?
憧子の変顔~!』


『えっ…!』

いきなり振られて慌てた私は、とりとめのない顔を晒してしまう。


『ぶははっ!憧子可愛いっっ』


『もぉっ、バカにしてるっ?』


『してないしてないっ!
ほんとに可愛いんだって!

じゃあ一緒に~っ?
2人の変顔~!』

顔を寄せあって、変顔して…
笑い合う私たち。


動画はそこで終了。
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