JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「ほんと、に…?

っ、ほんとなのっ?」


「んっ…

一緒にいた人の、おかげだけどっ…
ちゃんと、やめれたよっ?」


その答えを受けた母さんは、うっと嗚咽を漏らすと…


「良かった…
っ、良かったぁっ…」

そう声を上げて泣き出した。



依存性の強いタイプの眠剤だったら、きっと減薬に倍の時間がかかって…
こんなふうに母さんを安心させる報告は出来なかっただろう。

だけど私は、減薬を考えたうえで自分の症状に近い薬を選んでて…


ー「立ち直る意志があったからだよ」ー

頭に流れ込んで来た響の言葉に、またそれを気付かされる。


うん、そうだね…

だからきっと私は乗り越えられる。



「ただね、母さん。

まだ中途覚醒は続いてるし、最近はあの頃の記憶も少し思い出して…

一時的におかしくなったり、まだまだこれからだって思うの」

これ以上心配はかけたくなかったけど…
帰って来たからには記憶の覚醒を話さなきゃ、いきなりそうなった時に驚かせてしまう。


「だけど私頑張るからっ。
頑張ってちゃんと生きるからっ…

これからも、お願いしますっ…」


そう告げると。

その人はその場に泣き崩れてしまった。
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