JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「っ、母さんっ?」


「うぅ、ごめんねっ…
ごめんねぇっ…

母さんいつも、あなたを追い詰めてしまっててっ…」


瞬間。
胸が詰まって、私まで嗚咽が零れた。



「わかってたのっ、わかってたんだけどっ…
不安定なあなたが、あの頃にまた逆戻りしそうで怖くて…

どうやったらその命を繋ぎ止められるのか、どうやったら立ち直らせられるのかっ…
不安でっ、つい焦ってしまってたっ…」


死にそうだった私を前に、死んでしまいそうだったその人の姿が浮かんで…

さらに涙が勢いを増す。


そして、どうやったらその命を繋ぎ止められるのかという言葉で…

自ら命を絶ったらあの世でも一真に会えないと、繰り返し諭されてた日々を思い出す。

私はそれを言い聞かせてて。



「ううんっ…

母さんが焦るのも無理ないしっ…
そんな思いに背中を押されて、今まで頑張って来れたんだと思うっ。

ありがとう…
たくさん心配かけてごめんっ……

母さんありがとうっっ…」


そうしてしばらくの間、私たちは玄関先で泣き続けた。




ー「今までを取り戻せる日も、きっと来る」ー


その日が来たという作り話は、ほんとになって…

ううん。
響との日々を無駄にしたくない思いが、ほんとに変えたのだ。





< 252 / 321 >

この作品をシェア

pagetop