JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
だけど舌先が触れ合うたびに、唇が一瞬離れる。



「ねぇ、なんでっ…、離れるのっ…?」


本当の恋人になってから、会うのは今日で2回目で。

前回は挨拶もあったし、なぜかフレンチキスで終わってたから…
やっと今まで通りのキスが出来ると思ってたのに。



「…

ごめん、キャパオーバー」


「……何が?」

そこでいったん、キスを中断。


「だから…

なんか、刺激が強すぎて…」


「…はっ?

っ、今さらっ?
だって今まで散々っ、」

「そーだけどっ…

両想いとか、初めてだから…
なんかもう、胸がヤバいし…


…狂いそう」


切なげに顔を歪める響は、恐ろしいほど秀麗で。

その完璧なビジュアルで、なんてもったいない人生を歩んで来たんだろう…



だけど、私が響の色々な初めてになれるのは嬉しい。

私の色々な初めてにしてあげれないのは心苦しいけど。


それでも響は、幸せだって喜んでくれるから…

愛しくてたまらなくなる。
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