JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
照明デザイナーに戻る事と、そのいきさつは…
あの日コンビニの駐車場で、フォローのお礼や響のおかげだという感謝とともに話してて。

その人は感極まった様子で唇を噛んで…
よかったと涙を滲ませて、自分の事みたいに喜んでくれた。




「あとさ…

もう1つ、反映してほしい事があるんだけど」


「…なに?」


「ん…

俺の夢も、憧子さんの照明で反映してもらえないかなって」


「…響の夢?」

それはちひろさんのために、カリスマ美容師になる事だろうか…


「うん、俺さ…
今の店で働いたおかげで、はっきり確信出来たんだ。

多くの人に認められたり感謝されるのも、嬉しいしやり甲斐を感じるけど…
俺は俺のやり方で、一人一人の髪を大切にして。
心から幸せを感じてもらえるような、癒しの美容を提供したいなって。

それに憧子さんの言葉があったから…
誰かのためじゃなく、自分が本当に目指したいものが決まったんだ。

いつか、そんな自分の店を持ちたいって」


ー「響も誰かのためじゃなく、ちゃんと自分の幸せを掴んでね」ー

思い当たった私の言葉は、こんな形で役に立ってて…


「っ…

響らしくて、すごく素敵な夢だと思う。
私まで、そのお店に通いたいくらいっ…」
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