ifの奇跡
約束の時間が近づいた時、バッグの中のスマホが震えた。

ここ新宿にある会社で働いている美沙から、“ 今、会社出たよー ” と知らせるメールだった。

私も急いで、待ち合わせ場所へと足を向けた。

久しぶりの再会を果たした私たちは駅の真ん前でお互いに抱擁を交わし、美沙オススメのお店に来ていた。


「ここのお店さ…運が良ければ芸能人にも会えるらしくて割と目撃情報が多いんだよね。莉子も私もイタリアン好きだし、気に入ると思って。」

「うん、イタリアン大好き。ありがと〜美沙。いいお店予約取っててくれて。」

「本当、今回はたまたま運が良かったんだよ。最初は同じ会社の後輩が予約してたんだけど、今日都合が悪くなってキャンセルするって聞いたから、そのままキャンセルしないで譲ってもらったの。」

「そうだったんだ…。でもやっぱり東京は美味しい食べ物も沢山あってテンション上がるよね。ここにいるだけでも楽しいよ、私。」


美沙とこうして一緒に飲んでる事がまだ不思議で、半分現実じゃないみたいですっごく楽しかった。

こっちにきてからは特に毎日の買い物以外出掛けてなかったし、久しぶりに自分を解放できてる気がする。

ついつい飲みすぎて、既に何度目かのトイレから席に戻ろうとしていたその時、

席に座っている美沙と話しをしている男の人が見えた。

久しぶりに会った友人だろうか…遠目から見えた雰囲気でそう思った。
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