ifの奇跡
あれ…この流れってもしかして………

目の前の哲平君がスマホをポケットにしまいながら


「ごめん!あいつ今から来るって…。」

「「ええー!?」」

「この近くにいたみたいだから、すぐ着くって…。俺が、莉子ちゃんと一緒だったのが気に食わなかったんじゃないかな。」


いやいや……だからって。

冬吾とはもう会わないつもりでいたのに。

もう会うべきじゃないって分かってたから今まで自分の心にも、そう…言い聞かせてきたのに。


「あ!もう着いたみたい。あいつ走って来たのかな…流石に速すぎだろ。」


呑気な声が目の前から聞こえてきて入り口の方に目を向けると、確かに冬吾がそこにいた。


「…莉子、大丈夫?」


隣から小声でそう尋ねてきた美沙に笑顔を向けた。

“ うん、大丈夫。”


「冬吾、本当に早かったな。」


哲平君の声がやけに明るく聞こえた。
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