ifの奇跡
彼も今は自室の片付けをするため部屋に戻っている。


「ハァーッ………」


さっきのアレは一体何だったのか?

遠慮しなくてもいいって…何を…?

彼の気持ちが全く見えなかった。

会いたい人なんて……私が本当に会いたい人にはもう会えない…。

会うことなんて許されないんだから……。

私を愛してくれていた冬吾はもういない……。

それどころか今は私を恨んでいるかもしれないのに。

締め付けられて行く胸が痛すぎて…閉じる瞼に力が入った。


キッチンの片付けを終えると、浴室や洗面台にも小物を並べ掃除を済ませた。

外を見るともう日が落ちかけていて、彼と駅前にあったお寿司屋さんに食べに行った。

帰宅後すぐにお風呂を沸かし、今は彼が入っている。

その間に、私はまだ手付かずだった自分の部屋の片付けを始めた。
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